
双極症
双極症
気分に波があってお悩みの方はご相談ください
双極症は気分が上がってしまう躁状態や軽躁状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰返す疾患です。躁状態の時は自分が病気であることや治療が必要であることを理解できないため、治療を拒否する傾向にあります。また、うつ状態になると思考力が低下し、治療の必要性を正しく判断できなくなってしまいます。似たような症状が現れる他の疾患も多く、専門医であっても初診時に正確に診断することが難しい疾患とされています。自殺リスクに関しては、抑うつ症よりも双極症のうつ病の方が高いとの報告もあり、できるだけ早期に専門の医療機関を受診することが大切です。しっかりと治療していけば、病気になる前と同じような過ごし方をしている方もたくさんいます。気になる症状がございましたら、お早めに当院までご相談ください。
双極症の原因は、ストレスや環境要因、遺伝素因など様々なことが考えられています。発症するメカニズムについては、脳神経の調節機能が低下してしまうことが原因と考えられています。また、大規模な家族研究、双生児研究によって双極症は遺伝しやすいことが示されており、遺伝子レベルでの研究も行われています。
双極症にはⅠ型とⅡ型の2つのタイプがあります。少なくとも1回の躁病エピソードが1週間以上続く場合をⅠ型とし、軽装エピソードとうつ病エピソードを繰返し、軽躁状態が短い場合はⅡ型と分類しています。
双極症は再発しやすく、1年以内に4回以上のうつ病エピソードや躁病エピソードを繰返し認める場合は「急速交代型(ラピッドサイクラー)」と呼ばれ、薬物療法への反応が悪いタイプとされています。
双極症Ⅰ型、Ⅱ型ともに不安症群やアルコール依存症、注意欠陥多動症など精神疾患の併存が多いことも特徴の一つです。
薬物療法
薬物療法では主に気分安定薬や一部の抗精神病薬を使用します。どちらも急性期の症状を抑え、症状が軽快した後も再発予防のために服薬をしていくことが推奨されています。
双極症は再発しやすく、再発すると仕事や人間関係が悪化し、社会的損失が大きくなる疾患です。そのため、可能な限り薬物療法を続けて気分を安定させておくことが推奨されています。薬の種類や剤形も様々ですので、患者さま一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療を一緒に考えていきましょう。
心理社会的治療
心理教育は、双極症の治療にとって最も重要な治療の一つです。病気や薬剤の性質を理解し、病気と向き合うことは、再発の予兆を自分自身で把握することに繋がります。特に躁状態では気分が高揚しており、上手く休養を取ることが難しい精神状態にあるため、しっかりと休養を取ることも重要です。
認知行動療法では、うつ状態になると陥りやすい考え方のクセを自覚して、客観的な考え方が出来るようにその“クセ”を修正していく治療です。個別カウンセリングを通して否定的な考え方に気づき、少しずつ合理的な考え方が出来るように練習を行います。
当院では、必要に応じて病気の理解や再発予防に向けた心理社会的治療を薬物療法と並行して行っていきます。症状が重篤な場合は、休職や入院が必要となる場合もあります。その際は、近隣の医療機関をご紹介させていただきます。気になる症状がございましたら、お早めに当院までご相談ください。
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