
睡眠・覚醒障害群
睡眠・覚醒障害群
睡眠でお悩みの方は、当院までご相談ください。
睡眠は人生の1/3を睡眠に費やすと言われるほど重要な行動の一つです。睡眠が障害されると、脳の働きが低下し、様々な精神疾患を引き起こす原因となります。睡眠・覚醒障害群では、様々な睡眠の障害とそれに伴う行動障害の特徴を持つもので、不眠障害、閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸、概日リズム睡眠・覚醒障害群、ナルコレプシー、レストレスレッグス症候群などがあります。睡眠は万病のもとです。些細なことで構いません、睡眠でお悩みの方はお気軽に当院までご相談ください。
不眠障害は、寝付けない、もしくは寝ている状態を維持できないことによって定義されます。その原因は身体疾患、心理的なストレスや環境変化、アルコールなどの嗜好品、薬剤やサプリメントなど様々なものが原因となり得ます。
不眠でお悩みの方は5人に1人というデータもあり、国民病と言われています。不眠障害は夜間の睡眠の悩みだけではなく、寝不足によって仕事や学業など、日中の生活にまで影響することが特徴です。また、高齢者に不眠障害の方が多く、加齢によって睡眠時間も短くなっていくことが知られています。
生活習慣の改善
睡眠障害を事前に防ぐための方法として、厚生労働省によって健康づくりのための睡眠ガイド2023が発表されています。まずは、このガイドに従って生活習慣の改善を行っていきます。
薬物療法
睡眠薬には作用時間が短いものから長いものまでいくつかの特徴があります。また、作用機序もγアミノ酪酸(GABA)系受容体に作用するもの、オレキシン受容体に作用するもの、メラトニン受容体に作用するものと、それぞれ異なるため、一人ひとりの症状に合わせて適切な薬剤を選択していきます。
心理療法
認知行動療法は、不適切な睡眠習慣や睡眠に関する間違った認識を変えていくための治療で、有効な治療方法と考えられています。睡眠時間を制限したり、光や音など睡眠を邪魔する刺激を制限したり、リラクゼーションを取り入れたり、様々な試みを組み合わせながら認知トレーニングを行います。
寝ている間に呼吸が止まることはありませんか?
小顎症や扁桃肥大、肥満など何らかの原因で、寝ている間に上気道(鼻から声帯までの空気の通り道)が狭くなったり、塞がってしまったりすると、呼吸しにくくなり、一時的に呼吸が止まってしまいます。10秒以上呼吸が止まってしまう状態を無呼吸と言いますが、無呼吸中に換気する努力がみられるものを閉塞性、努力がみられないものを中枢性と区別しています。
OSAHは、いびきを伴う肥満者に多く、高血圧やメタボリックシンドローム、うつ病や不安症などの合併が多いことが特徴です。動脈硬化のリスクにもなり、心臓に負担がかかるため夜間頻尿のリスクにもなります。放置すると心不全や脳卒中など突然死の原因にもなります。
まず初めに生活習慣を見直して減量を指導していきますが、体重を減らし、それを維持することが難しい場合も多いため、減量指導を行いつつ、寝ている間の気道閉塞を軽減するためマウスピースをつける、あるいは持続性陽圧呼吸療法(CPAP)を行うことが一般的です。OSAHを診断するためには睡眠検査をする必要があるため、関連医療機関を紹介させていただきます。
概日リズム(体内時計)で昼と夜の時間が一致していないと、日中に活動し、夜に睡眠をとり普段の生活を快適に過ごすことができません。通常は体内時計による内的な概日環境と、太陽光や社会生活などの外的な刺激が24時間周期で上手く同調することを繰返しているのですが、一度歯車が狂ってしまい上手く再同調できなくなると、睡眠だけでなく日中の活動も障害されてしまい、概日リズム睡眠障害が起こってしまいます。
概日リズム睡眠障害の中でも、慢性的にリズムがずれてしまう睡眠障害(睡眠相後退型、睡眠相前進型、不規則睡眠覚醒型、自由リズム型)と、夜勤者や海外旅行など急激な変化のあるスケジュールで生活することによって生じる睡眠障害(ジェットラグ型、交代勤務型)に分けられます。
光療法
体内時計のリズムは24時間よりも少し長いため、何もしなければ少しずつリズムがずれて行ってしまうのですが、起床後に目から光刺激を入れることで体内時計をリセットすることが出来ます。光療法では、自然に目を覚ます時間よりも少し早く起き、1万ルクス以上の高照度光を浴びることで体内時計を修正し、適切なリズムを取り戻していきます。
薬物療法
通常午後から夕方にかけてメラトニンの分泌が増え、夜明けまで高い状態が続くことが知られています。そのためメラトニンの分泌を増やす作用のある薬を就床時刻の5時間前に服用すると、概日リズムが1時間以上前進するとの報告もあり、治療に用いられています。
日中耐えられない眠気におそわれ、テスト中や会議中など寝てはいけない場面でも居眠りをしてしまうことが特徴です。過眠症の代表疾患ですが、1日の睡眠時間は正常範囲内です。また、金縛りや、笑ったり怒ったりなど感情が大きく変化することに伴って現れる全身の脱力は情動脱力発作と呼ばれ、ナルコレプシーの特徴的な症状の一つです。
確定診断のためには、日中の眠気を調べるために睡眠潜時反復検査(MSLT)という睡眠検査が必要なため、関連医療機関を紹介させていただきます。診断が確定すれば、モディオダール®(モダフィニル)などの中枢神経刺激薬で治療を行います。適切な診断と治療を受ければ症状はある程度コントロールできるため、気になる症状があれば当院までご相談ください。
足がむずむずして困っていませんか?
じっとしている時や寝ようとする時、足にむずむずするような不快な感覚が現れ、足を動かしたい衝動が生じます。しばらく足を動かし続けることで不快な感覚は軽減します。重症例では日中にも、足だけでなく全身がむずむずして落ち着かない感覚が現れます。鉄分が不足してもRLSの症状が出ることがあるため、気になる症状がありましたら、お早めに当院までご相談ください。
軽症例ではカフェインやアルコールの摂取を控えたり、マッサージを取り入れたりと生活習慣の改善を指導します。鉄分が不足している場合は鉄剤の補充も行います。
中等症以上では、ドパミン作動薬と呼ばれる薬剤などを使い症状を抑えていきます。
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