
神経認知障害群
神経認知障害群
もの忘れでお悩みの方はご相談ください
神経認知障害群は、成人以降に認知機能の低下が現れる状態のことで、認知症が代表的な疾患です。
もの忘れでお悩みの方は当院までご相談ください
認知症とは、脳の神経細胞の働きが何らかの原因で失われてしまい、記憶力や判断力が低下して日常生活に支障をきたす状態を言います。脳は感覚や運動、記憶などそれぞれの領域に役割があり、障害を受ける領域によって現れる症状も違ってきます。
アルツハイマー病による認知症、レビー小体病を伴う認知症、前頭側頭型認知症、血管性認知症が4大認知症と呼ばれ、認知症全体の9割以上を占めています。その他に、パーキンソン病などの疾患による認知障害などがあります。
軽度認知障害は、もの忘れなどの認知機能の低下がありつつも日常の社会生活は自立した状態のことで、いわゆる“認知症予備軍”のことです。早期に発見し、適切な対策を行うことができれば、認知症の発症や症状の進行を遅らせることが出来るため、気になる症状が現れた時は、お早めに当院までご相談ください。
軽度認知症の多くは、脳内にアミロイドβやリン酸化タウというたんぱく質が溜まってしまい、脳が萎縮し、その機能が低下してしまいます。この状態を放置するとアルツハイマー病による認知症へ進行していくと考えられています。
食事・運動療法
規則正しい食生活や適度な運動は血流改善効果が期待でき、脳神経細胞が増えることも示唆されています。計算ドリルや楽器を演奏する、歌を歌う、楽しく会話をすることも脳の活性化が期待されるリハビリとなります。
薬物療法
軽度認知障害の中でも、アミロイドβが溜まっていることが画像検査で確認できる場合は、認知障害の直接の原因となっているアミロイドβたんぱくを除去する治療も受けることが出来るようになりました。認知症の発症や進行を遅らせるためには早期発見・早期治療が大切です。負担の生活で少しでももの忘れが気になって心配な方は、お気軽に当院までご相談ください。
アルツハイマー病とは、脳の神経細胞が徐々に失われ、アミロイドβやリン酸化タウというたんぱく質が溜まっていくことで、脳の様々機能が障害される疾患です。脳が正常に機能しなくなると、日常生活に様々な支障が出てくるようになります。認知症の6割以上を占め、初期症状の多くはもの忘れから始まり、進行すると言葉や身体の機能も低下してしまいます。
認知機能が低下することによって現れる記憶障害や見当識障害などの中核症状と、不安、焦燥、暴言、徘徊、ものとられ妄想など、行動や心理的な変化によって現れる行動・心理症状(BPSD)があります。ゆっくりと症状が進行していくことが特徴で、BPSDは病前の性格や生活環境などによって症状の現れ方が大きく異なります。
環境調整
軽度認知障害と同様に、食事・運動療法は進行を抑える効果が期待されています。また、BPSDに対しては、接し方や環境を変えることで症状が軽減する場合もあります。
薬物療法
脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンが減少することが知られている為、アセチルコリンを分解する酵素であるアセチルコリンエステラーゼの働きを抑える薬剤を使用します。また、主に神経伝達物質の流れをスムーズにする目的で、MNDA受容体拮抗薬と呼ばれる薬剤を使用することもあります。BPSDの中でも不安、焦燥、妄想などの精神症状に対しては漢方薬や抗精神病薬を使用します。
レビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質の塊によって脳の神経細胞が壊されてしまうことで認知機能障害がみられる疾患で、アルツハイマー病による認知症の次に多いタイプです。その日によって症状が良くなったり悪くなったり日内変動がみられるのが特徴です。調子が良いときは発症していることに気づかず、治療が遅れる場合があります。また、幻視、動作緩慢、小刻み歩行などのパーキンソニズム、レム睡眠行動障害と呼ばれる夜間の異常行動などがみられるのも特徴です。
症状の進行を遅らせるために、コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬を使用します。また、パーキンソニズムや幻視、レム睡眠行動障害など、それぞれの症状に対して適切な薬物療法や支持的精神療法を行っていきます。
前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮し、血流が悪化するために脳の機能が低下してしまうことが原因と考えられている認知症です。65歳以下で発症する、いわゆる若年性認知症の主な原因とも言われています。
前頭葉や側頭葉の機能が損なわれるため、行動面と人格面で変化が現れることが特徴で、周囲からは突然人が変わったと思われることがあります。色々なことに無関心になる、同じことを繰返す、信号無視など社会秩序を乱すような行動をすることなどが特徴です。
残念ながら現時点で有効な治療方法は確立されていません。それぞれの症状に応じた薬物療法を行っていきます。
血管性認知症は、脳梗塞など脳血管が障害されることで認知機能が低下してしまう状態です。障害された血管の領域や範囲によって現れる症状が変わっていきます。新たな脳梗塞が起こるたびに階段状に症状が進行することが特徴です。記憶障害の他に、視力低下、嚥下機能低下、感覚障害などの神経症状がみられやすいのも特徴です。
脳血管障害が再発するたびに症状が悪化するため、発症リスクを高める高血圧や糖尿病などの生活習慣病をコントロールしながら脳血管障害の再発予防を行います。アルツハイマー病による認知症を併発している場合は、コリンエステラーゼ阻害薬を使うこともあります。
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